- 回生機付6サイクル機関のQ&A-
(回生機付6ストローク機関、6サイクルガスタービン機関、排気圧回生機付内燃機関)

Q(質問)
A(質問に対する回答)

1.回生機6サイクル機関とは、どのようなエンジンですか。

 6サイクル機関については[6サイクル機関Q&A]を参照してください。この6サイクル機関の排気側に 排気の圧力エネルギーを運動エネルギーに変える排気タービンなどの回生機を組み合わせたものです。最もシンプルな複合サイクル機関ということも出来ます。
 英語で言うと、Six-stroke cycle engine with regenerator

2.どのような特徴があるのですか。

 

 

 

 

 

 

 

 特徴は燃費効率が良いことです。

 4サイクル機関は排気管に消音機を備えていなければ、ものすごい排気音がします。これは排気に未だ圧力エネルギーが残っていることを示しています。
 4サイクル機関や6サイクル機関のような容積型機関は燃焼後の膨張率が高い方が、このエネルギーを動力に変換出来、効率が良くなります。この排気のエネルギーを動力に変換しようとして特殊な機構で圧縮比より膨張比を大きくとったものがアトキンソンサイクルエンジンです。しかし、複雑で耐久性が無く使われませんでした。回生機6サイクル機関はこの原理を理想的に実現できるものです。
 一般的4サイクル機関(細線A)と回生機付6サイクル機関(太線B)のPV線図 を紹介しておきます。

3.ミラーサイクルエンジン[6サイクル機関Q&A参照]もそのようなことが出来ますが、これと比較してどうなのですか。

 回生機6サイクル機関はミラーサイクルを超える圧縮比が取れます。これは理想的な膨張比を取った4サイクルのミラーサイクルより更に効率が高く出来ることを示しています。すなわち回生機付6サイクル機関は内燃機関の中で最高の効率を持つものであることに他なりません。
 また、ミラーサイクルが低圧まで排気をピストン内で膨張させるのに対して、この低圧での出力の取り出しをタービンで行った方がフリクションが少なく効率で勝ると考えています。
 ミラーサイクルの大型の過給発電用ガス機関では、排気バルブ温度が高くなるのでリーンバーン(混合気を薄くすること)により排気温度を下げるようにして使っていますが、回生機付6ストロークでは内部から掃気により排気バルブを直接冷却できるので、通常の混合気での運転が可能となります。その分トルクが増え、燃焼速度が早くなることによる高回転化が可能となり、出力が増えます.

4.排気タービンと呼ばずに回生機と呼んでいるのは理由があるのですか。

 6サイクル機関の場合、掃気が混合することにより排気温度が低くなるのでスチームエンジンのようなエキスパンダ(容積型膨張機)が使える可能性があるからです。
 エキスパンダが使えるということは、容積型圧縮機(スーパーチャージャー)付機関やタービンの使えない小排気量の機関への適用も可能となるということです。またフラットなトルク特性を出すのが難しかったターボ過給機関に対して、容積型圧縮機と組合せることでトルク特性を改善でき、タービン効率の低かった低速や高速の燃費を改善できます。
  このときパーシャル燃費性能の向上にはエキスパンダの開閉バルブを可変タイミングにし、排気圧力の変化に対応できるようにすることが有効です。更に容積型圧縮機のバルブタイミングも可変とすればスロットルバルブの代わりとなります。

5.回生機を取り付ければ効率が良くなるのであれば4サイクル機関でやれば良いのでないですか。

 4サイクル機関で排気回生を行う機関はすべて吸気側の圧以下の圧力からの排気回生を行っています。これは4サイクル機関では吸気側の圧より高い排気圧にしてしまうと、燃焼室内に高温の排気ガスがより多く溜まり、それが混合気に混じりますので異常燃焼が発生しやすくなってしまいます。そのため圧縮比を下げなければならなくなり、結果的に効率がほとんど上がらないからです。

6.それが6サイクル機関と組み合わせると何が変わるのですか。

 6サイクル機関では掃気行程の存在により、吸気のときに燃焼室に残っている気体は掃気ですから、温度が低く多くの気体が残っていても圧縮比が高められます。そのため膨張行程の終りの圧を維持する設定にしてもほとんど圧縮比を下げる必要が無く、排気を自由膨張させないで回生機に導くことができるので効率が高いのです。
 4サイクルで排気圧を高めると、ひどい場合にはバックファイヤーが発生してしまいます。これは排気管が詰まったときと同様の現象で、吸気が燃焼室に残る高温の排気ガスに接触した途端に爆発し、爆発が吸気管の中にまで伝播するのです。6サイクル機関では、吸気バルブが開くときに燃焼室内にある気体は低温の掃気ですからこのようなことは発生しません。

7.どのくらい燃費が向上するのですか。

 理論燃費については、2008年の春の自動車技術会の予稿集に「回生機付6サイクル機関」がありますので参照してください。
 無過給で22.5%、これを4気圧で過給すると38.5%向上する計算結果になっています。

8.回生機付6サイクル機関の利用分野はどの当たりを想定していますか。得意分野、苦手分野とかはありますか。

 タービンの利用できない小排気量の分野でもエキスパンダを利用すれば適用可能と考えていますし、かつての過給機が使われていた時代のF1では、1500ccで千数百馬力の出力を出していたと聞いていますので、4気圧程度に過給すれば1000kwクラスのガソリンエンジンも量産可能と考えています。したがってほぼすべての内燃機関の利用分野に適用可能と考えています。
 
 天然ガス発電をはじめとした発電用の機関、コージュネレーション用発電用であれば2つの発電機を持つだけであまり課題もありませんが、車両用の場合は回生機を小型化するためにタービンを用いた場合、その出力をどう利用するかは課題です。タービンを用いた場合には一度電気に変換する使い方、船舶用、ハイブリット車用の動力源として効率が高く有望なのではないかと考えています。
 当然ディーゼルエンジンにも適用可能です。しかし、ディーゼル機関は圧縮比が高い分、回生に回るエネルギーは少なくなります。効率向上効果の高いガソリンエンジンで、ガソリンエンジンの低コストの特徴を生かし、そのコスト差でハイブリットシステムを搭載することも考えられます。海外ではガソリンよりディーゼル燃料の方が高価になっていますので、ガソリンで走る大型ハイブリットトラックというのも成立するかも知れません。

 ただどうしても部品点数が増え、コストは高くなると思います。

9.回生機をタービンにすると、タービンはパーシャル効率が低いので機関全体で効率の高い使用領域はかなり狭いのではないですか。

 確かにタービンはパーシャル時の特性が低下する傾向が強いです。またタービンは回転数が高く、回転数を変化させにくいという特性があります。そのため安定した出力で用いる発電用への利用性が相対的に高いものとなります。
 この対策案としては、ガス流量の変化に対して対応するためにターボ車両ではベーンの角度を変えノズル面積を変化させる可変ベーンタービンを用いる手段があります。 私はノズルの数を変える可変ノズル数タービンの方がパーシャル時の効率低下が少ないと考え、そのための特殊なバルブ配置を考えましたので参考にしてください。
可変ノズル数タービン]WO2008/020619 (PCT/JP07/066006)

 この可変ノズル数タービンを過給タービンの過給機の下流に置いて過給タービンの回生機として用いれば、サージ限界の無い過給タービンが成立します。フラットなトルク特性の過給機関が得られ、過給機のパーシャル効率も向上します。

10.発電所用の機関として、これまでのものに比べて効率は良いのでしょうか。

  以上 2008年12月16日

 はい、もちろんです。
 1000kwクラスで考えると、ディーゼル機関に対しては回生機付ディーゼル6サイクル機関を、ミラーサイクルのガス機関に対しては回生機付6サイクルガス機関を想定すれば、同じ燃料をより高い効率で使えます。
 100Mwを越える大型の火力発電所用としては、現在は 天然ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電するコンバインサイクルが、熱効率52〜54%(HHV基準)の実用化の段階に入っていると聞きますので、これがライバルだと思います。回生機付6サイクルガス機関だけでこれを越えられるかどうかは微妙なところです。 しかし、排熱をコンバインサイクルと同様に蒸気タービンを回すことに用いれば充分この効率を越えられると考えます。
  但し、1機で100Mwの6サイクル機関というのは難しいでしょう。回生機としてのタービン1機に対して、10機くらいの6サイクル機関で囲むといった方法になるのではないでしょうか。

11.過給なしの場合の一般車両用の機関としてのイメージはどのようなものになりますか。

 

 

 

 

 

 一般車両用としては回生機をエキスパンダにした方が良いですね。出力を絞って使うことが多いし、機関回転数を変化させることも多いですから。タービンと異なり回転数が機関回転数に近いので機関本体との接続が容易になります。
 最も単純なものとしては、無過給機関とエキスパンダを組み合わせたものが考えられます。エキスパンダからの出力がそれなりにありますからクランク軸と同軸に配置した方が良いでしょう。往復ピストンタイプであれば6サイクル機関と一体化する方法もあります。圧力は低いですから、6サイクル機関本体より強度は低い物で済みますのでなるべく軽量化します。摺動面も狭くて済みますので、低フリクション化を心掛けます。ガスの温度を維持するために断熱にも気を配ってやってください。
  エキスパンダのガスの処理能力は、燃焼ガスの分として最低でも6サイクル機関の倍程度ほしいところです。そうすると掃気排気の処理を加えると排気量の3倍の処理能力が要ります。しかし、エキスパンダの方は2行程で1サイクルですから、ピストン容積としては6サイクル機関の容積とほぼ同じか、やや大きめといったサイズで済みます。
  エキスパンダは圧力が低いのでポペットバルブである必要は無く、スライドバルブやロータリーバルブを使用した方がコンパクトでフリクションも低くなります。4でも述べたように、パーシャル時には、このエキスパンダの排気側のバルブを排気行程の途中で開くようにし、そのタイミングを変化させられるようにします。閉じるタイミングは常に上死点です。総開角とタイミングを同時に変化させます。吸気側のバルブタイミングは固定です。

  しかし、1.6リットルのL4の4サイクルエンジンと同一出力のエンジンを載せかえるイメージをすると、6サイクル機関の排気量は2リットル位は必要ですから、4リッターV8の片方のバンクのシリンダーへッドがやたらコンパクトなエンジンが載るイメージになります。4サイクルエンジンのシリンダーヘッドは思いのほか大きいものですから出来れば実物を見てイメージしてください。それでも機関全体の大きさは4サイクル機関より一回り大きく、かつVバンクが小さいながら存在するものとなります。

12.過給した場合はどのようなものになりますか。

  過給をすれば、エキスパンダのサイズは変わりませんが、6サイクル機関自体はコンパクトにすることができます。このときインタークーラーは省略しない方が良いでしょう。圧縮比を上げられなくなり、効率が向上しなくなるからです。6サイクル機関は内部冷却により冷却系がシンプルになりますから、その分でスペースを確保してください。
  過給する場合にはその分膨張率が高く取れるエキスパンダを選択する必要があります。エキスパンダの出力も高くなりますので、往復ピストンタイプにして6サイクル機関と一体化する方法に限定されてくるように思います。最大圧力は低いので、6サイクル機関に対してV型に配置した場合には6サイクル機関のコンロッドから連接する形も取れます。コンロッド大端部が共用でき、クランクの長さが長くならずに済みます。
  過給機は従来のスーパーチャージャー でも使えないことは無いですが、スロツトルバルブによるポンピングロスを避けるために可変バルブが採用できるものを推奨します。6サイクル機関の吸気バルブを可変とするよりは容易で、効率の改善率も高くなります。このスーパーチャージャー としての容積型圧縮機の吸気側のバルブを常に上死点で開き、吸気行程の途中で閉じるようにします。この吸気側のバルブの総開角とタイミングをアクセルに合わせ同時に変化させます。排気側のバルブタイミングは固定です。こちらは1方向弁も使えます。
  こうすることでスロツトルバルブレスが、6サイクル機関自体に連続可変バルブが無くとも実現でき、ポンピングロスが削減できます。早閉じと聞くと低開度のガソリンの霧化性能を懸念される方もいらっしゃるかも知れませんが、インジェクションは過給機と6サイクル機関の間にあり、 6サイクル機関の吸気タイミングは固定ですから適当に吹返しもあり問題ないと思います。

13.小型車用過給機関のイメージももう少し具体的にお願いします。

 

 

 

 

 

  エキスパンダは往復ピストンタイプにして6サイクル機関と一体化するとすると、アルミダイキャストブロックを使いたいですよね。鋳鉄製にしたのでは重くなりそうです。そうするとシリンダーブロックの強度から過給圧が制限されそうです。3気圧に過給するというイメージで計算してみましょう。
  せっかくですから軽自動車にも適用できるように660ccで計算してみます。振動と量産コストを考えると直列4気筒でしょうね。EGRシステムをどうするかによって過給機の容量などが変わるのですが、掃気は全量EGRガスを回すタイプの3バルブ構造の最もシンプルなタイプで考えて見ます。660cc4気筒なら3バルブでも充分6000rpmくらいなら回せるでしょう。
  そうすると 過給を担当するピストンの半分は新気を、残りは冷却した排気を圧縮することになります。そうEGRの冷却器も必要です。インタークーラーと同じようなものです。ラジエーターの小型のものといったイメージで、中にはエアーが通ります。インタークーラーほどは冷やす必要は無いので、インタークーラーの背面に置くこともできます。掃気は新気ではないEGRガスを回すのでインタークーラーは掃気用にもほしいです。
  エキスパンダは1.6リットルくらいのものが必要です。過給機はもっと高回転で回せるものを別に置いたほうがコンパクトなのでしょうが、ピストン式でエンジンに一体化するとしてイメージしてみます。過給ピストンの容量はインタークーラーの設定などでも変わりますが、430ccくらいは必要です。新気用と掃気用それぞれについてです。
 ボアピッチ(ピストンとビストンの距離)は6サイクル機関にあわせると、過給機約0.8リットル、エキスパンダ約1.6リットルは直列には入らないですね。千鳥に配置しましよう。エキスパンダは倍の容量を持たせるため、クロスヘッドタイプにして両面を容積室に使います。蒸気機関車のエキスパンダの感じです。
 これらのピストン配置は0°、60°、120°とすると、過給機のシリンダーヘッドは小さいとしても、扇のようですね。横置きの場合に前に過給機を配置して、中央に6サイクル、後にエキスパンダを配置します。しかしこれではクーラーのコンプレッサーやACGが配置できないでしょうね。 回りには排気触媒、EGR配管、過給気のエアーチャンバーがあるわけですから 軽乗用車のボンネット内に収めることは苦しそうです。やはり小型車用ですね。

  イメージをやり直します。エキスパンダを直列にして、これにあわせてシリンダーピッチを決めましょう。エキスパンダのクロスヘッド部分を過給機として使うことにすれば更にシンプルになります。配管は複雑になりそうです。90°V位に配置すれば振動にも良さそうですが、FF横置きの場合の前後長を伸ばさないためにはVアングルを詰めておきたいところです。
  軽用には2気筒250ccとして、直列に過給機とエキスパンダを配置したらコンパクトなL4のように使えそうです。こちらの方が配管の取り回しは楽そうです。

14.上のエンジンのスペックを予想してください。

  現在の4サイクルエンジンの圧縮比限界が10.5であり、性能が 直列4気筒2000cc102kw(139ps)/6000rpmとして6サイクルの方を予想すると、一般車両用として
  無過給の直列4気筒2000ccは82kw(112ps)/6000rpm、 圧縮比14.01
      燃費効率21%向上
  3気圧過給の直列4気筒660ccは79.4kw(108ps)/6000rpm、圧縮比10.68
      燃費効率32%向上
  3気圧過給の直列2気筒250ccは35.1kw(48ps)/7000rpm、 圧縮比10.68
      燃費効率32%向上 以下同じ圧縮比と燃費効率です。
追加で予想すると、
  3気圧過給の直列4気筒1000ccは120.3kw(163ps)/6000rpm
  3気圧過給の直列5気筒1500ccは165.4kw(225ps)/5500rpm
EGR無しの出力重視型、バイク用としてイメージ
  3気圧過給の1気筒50ccは10.0kw(13.6ps)/10000rpm
  3気圧過給の直列2気筒250ccは50.1kw(68ps)/10000rpm

15.過給すると効率が上がることになっていますが、一般的には燃費は悪くなるのではないですか?

  一般車両用の機関のことを言われていると思います。過給した場合に過給機をインタークーラーで冷やします。このことにより無過給機関の場合より、過給した分実圧縮比費を高く取れるので、その分膨張比も高くとれ、本来サイクル効率は向上するのです。
  しかし、 これまでのターボチャージャー付の機関では回生した排気エネルギーは過給タービンを回すことにしか使っていません。せっかく増えた排気エネルギーをほとんど捨てていたのです。逆に出力が高い分、伝達系や車体の強化が必要でフリクションが大きくなり、車両も重くなります。過給が無くても充分な出力を持つ車に、更に過給して最高出力を高めているので、同じ走行ではより低負荷で使うことになるのも不利に働きます。
 これに対して回生機を備えた6サイクル機関ではこれを動力に変換できるのでこの効率向上を活かせるのです。無過給機関に近いトルク特性を目指し、むやみに最高出力を追わなければ、この効率向上分、車両燃費が向上します。

16.上記燃費効果にはスロットルレスの効果ははいっていますか?

 入っていません。

 スロットルレスの燃費効果が10%でもあれば、過給タイプですとこれだけでハイブリット車なみの効果があることになりますね。コストもディーゼルやハイブリットより安そうです。タービンを使うよりまずはこちらの方が実現性が高そうですよ(・o・)

17.爆発回数が少なくアイドル音などの商品性が下がりそうですが、何か考えはありませんか。

  タービンを使うと上記のような小さなエンジンと複数のタービンだけでエキスパンダ等が無いわけですから、システム全体を小さくできます。ただ、排気タービンからの動力を吸収する発電機とそれを動力にするモーターなどのコストがかかります。それで既に駆動用モーターを備えたハイブリット車とドッキングさせることを想定していました。
 でもエキスパンダを使ってもこのくらいの大きさですから、エンジン幅、トルク特性から言えばディーゼルでは難しかったATとの組合せも出来るし、ご指摘のようにまずはこのタイプからか実現していくべきかも知れません。一度出来上がれば更に改良され、どのような形で ハイブリットとドッキングするかも判断しやすいわけですから。
  バイク用にはこのタイプですね。単気筒、2気筒で90°方向に過給機とエキスパンダがある。面白いかもしれません。EGR無しの出力重視型の「シリンダー内混合」(6サイクルQANo12)で行きましょう。

  爆発回数は4サイクルより少なくなりますが、エキスパンダからのトルクがあるわけですから平滑化されると思います。その意味では過給機を備えた方がエキスパンダからの出力割合か大きくなるので、商品性は高いことになります。
  排気音はエキスパンダからのものになりますので、2気筒でも4サイクル4気筒なみ、4気筒ではV8並の排気周波数ということになります。この点は奇数気筒の方が同時にバルブが開くエキスパンダがないのでより優れたものとなります。5気筒では4サイクル20気筒並ということになりますね。もとから排気エネルギーは少ないですから、ほとんど連続的にガスが出てくるだけという印象ではないでしょうか。V6、V8の代替にも可能性が出るかも知れません。ひょっとすると消音機も必要ないかも知れません。

18.回生機の入口圧力(以後、回生圧という。)は常に排気バルブが開いたときの圧力と等しくなければならないのですか?

2008年12月 25日

  いいえ。等しくしなければいけないわけでは有りません。
  回生圧を排気バルブが開いたときの圧力より下げると、排気の圧力エネルギーの一部が自由膨張により熱となりますが、回生機がこのエネルギーの一部を回収します。そのため効率は回生圧の多少の変動であればあまり下がりません。対して6サイクル機関の方は、ガスの交換効率が高くなり圧縮比が高められることになります。トータルとして排気バルブが開いたときの圧力のほぼ80%に回生圧を設定した方が機関全体の効率が最大となり、出力もそれに伴い高まることが計算上分かっています。
 タービンなど一定の圧力で使いたい回生機を使用する場合、回生圧を変化させない方が良い場合があります。この場合、パーシャル効率を向上させたい場合にはパーシャル時の効率を考慮して回生圧を決めるべきです。ただしスロットルを変化させた時など、一時的にでも全開時に設定圧より高くなることが無いように気をつけてください。6サイクル機関のガスの交換効率が低くなり異常燃焼の原因となります。

19.回生機を付けたときに6サイクル機関側は改良する必要は有りますか?

 有ります。
1.掃気排気行程では、掃気は回生圧にまで圧縮されてから排気されます。そのため排気バルブは行程の途中で開くため開口時間は短いものになります。従って、排気バルブは小さくし、数を増やし、より高速で作動可能なものとする必要があります。
2.吸気と掃気バルブの開口タイミングを考えるときに、回生圧の方が高いことを考慮すべきです。上死点後、内部の圧力が下がってから開口する方が効率が良く、また排気の逆流を防止することが出来ます。
3.排気を回生機に回しますので、排気の温度が低下を抑制する工夫が必要です。

20.その他注意点などありますか?

 4サイクル機関の常識が開発の邪魔をする場合があると考えています。机上検討も重要です。

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