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翻訳マネージャーコラム

正確な翻訳のためには、意訳と直訳を使い分ける必要があります

2017年02月03日

1. 翻訳の精度と速度

正確な翻訳のためには、意訳と直訳を使い分ける必要があります

仕事において最も求められるのは、速度と精度という2つのスキルではないでしょうか。
どれだけ速く、正確に業務をこなすことができるか、ということです。
それは翻訳会社も同じで、我々の仕事ではどれだけ速く、正確に翻訳できるかがカギとなってきます。
ところが速度を求めると精度が下がり、精度を求めると速度が下がることも、非常に多く、なかなか難しいものです。
では、どうすれば精度と速度を同時に上げることができるのか? これが最も難しいと思います。2つのスキルを同時に伸ばすことは、どんな仕事においても簡単ではありません。
しかし、精度と速度それぞれを伸ばしていくことはできます。
そこで翻訳の精度を高める=正確に翻訳ができるようになるために必要なポイントをご紹介しましょう。

2. 直訳と意訳

英語をはじめとする言語の勉強をしていると、よく「直訳」「意訳」という言葉を聞くと思います。広辞苑で調べると、それぞれ次のように説明されています。

英語の授業で英文和訳(英文を日本語に訳す)をする際、あるいは英会話などでも「意訳」が推奨されるケースは、少なくありません。ただ、なかには適当に訳しておいて「これ、意訳だから」という人もいたりします。
それで「全体の意味」が伝わっていれば構わないのですが、多くの場合、聞いても何が言いたいのか理解できない「意訳」が多いのも確かです。
対して、翻訳は「直訳」でなければならない、いう人もいます。原文に書かれていることを忠実に訳すということです。そして「忠実に訳す」ためには、単語や文法、語法の知識が必要である、と。
しかし翻訳において直訳と意訳、どちらがよいかは一概には言えません。
もちろんケースバイケースである、と言えますが、それよりも大切なことがあるからです。

3. 原文にないことを書くのはNG

翻訳で最も大切なのは、「原文に忠実に訳す」ということです。
当然ですが原文にないことを書くのはNG。また、原文に書かれているのに翻訳されていない箇所があるのもNGです。
「行間を読む」という言葉がありますが、翻訳においては「行間を読む」必要はありません。
翻訳者が「行間を読む」ことによって、想像を膨らませ、原文に書かれていないことを書き足すのはご法度なのです。
場合によっては改ざん、公文書偽造になってしまうこともあります。

「意訳」に問題があるとすれば、それは翻訳者の個人的な解釈が入ってしまうという点です。
翻訳という作業は、翻訳者の「クセ」が出やすいもので、たとえば世界で最も使われている言語・英語の翻訳でも、同じ原文の翻訳を10人に依頼すると、10通りの翻訳が出来上がる場合があります。
それは原文を翻訳者がどう解釈し、訳しているかによって大きく変わるからです。
だからこそ翻訳者はできるだけ客観的に、原文に忠実な訳を作っていかなければいけない、といえます。

4. 「何が書かれているのか」を伝える

では翻訳においては、意訳はダメで直訳が望ましいのかといえば、必ずしもそうではありません。
たとえば技術英文(法律、医療、工業など専門分野の英文)は、個人の解釈が多いと正確性に欠けます。ところが、映画翻訳(多言語の台詞を訳し、字幕にする)だと、意訳のほうが望ましいときがあります。
映画の字幕は文字数に制限があったりするので、翻訳者は台詞の内容をくみ取り、できるだけ短く、簡潔に訳さなければいけないのです。
あるいは英語圏の人なら理解できても、日本人には伝わりにくい英語の台詞であれば、まったく違う言葉を使っても日本人が映画の内容を理解しやすいような訳にしなければいけません。
翻訳において大切なのは、原文に何が書かれているのか、あるいは何が言いたいのかを読み解く言語能力だといえるでしょう。

5. プロの翻訳は言語能力が問われる

依頼主に、原文に何が書かれているのかを正確に伝えるためには、翻訳者に「言語能力」が求められます。
映画翻訳の例でいえば、確かに英語の台詞の意味をくみ取り、簡潔な日本語にまとめる必要も出てきますが、それも映画全体の内容を考えたものでなければ意味はありません。
同じように、技術英文の翻訳でも、ただ原文の単語ひとつひとつに意味を当てはめていくだけの訳し方では、日本語としておかしくなる可能性があります。これも「原文に何が書かれているか」を伝える翻訳の役割を果たしているとはいえません。

ただ英語を日本語に訳すだけであれば、おそらく今は多くの人ができると思います。
特に自分が原文を読み、自分だけが理解できればよいのであれば、それで構いません。
ところが仕事としての翻訳は、誰かが書いた原文を、他の人が理解しやすいように訳し、文章として書き上げる作業になります。
そのためには、まず原文に何が書かれているのかを読み解く能力と、それを相手が理解できるように書くことができるという言語能力が必要になってくるのです。
こうした言語能力がなければ、正確な翻訳はできないといってもよいでしょう。

また、日本語でも各地方に独特の方言や言い回しがあるように、英語でも国や地域によって単語や表現方法に細かい違いがあります。それを読み違えると、文章全体の意味がおかしくなってしまうことは少なくありません。
プロの翻訳者であれば、単語や文法・語法だけでなく、こうした細かい違いにも対応できるような、言語に関する知識が不可欠なのです。

翻訳の精度を高める=正確な翻訳ができるようになるためには、ぜひ言語能力と言語にかんする知識を高めていってほしいと思います。

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