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翻訳マネージャーコラム

映像翻訳とは字幕・吹き替えのための翻訳

2017年03月01日

字幕・吹き替え……映像翻訳の難しさ

映像翻訳とは字幕・吹き替えのための翻訳

一般的に「翻訳」とは言語を変換することを指すと思いますが、実はその一言では収まらないほど翻訳は奥が深いものです。 翻訳は様々な分野において行われ、翻訳を行う分野ごとに専門知識を必要としているので、ただ単に「言語を変換する」といったことだけで括れないものなのです。
映像翻訳と呼ばれる分野も、それだけ損門知識が必要とされるもののひとつです。
そんな映像翻訳とは、どのような翻訳を指し、どのような知識、技術を必要とするのでしょうか?

1. 映像翻訳という仕事

ひとくちに翻訳といっても、様々な翻訳があります。
企業が海外進出をしたり、逆に海外の企業が日本に入ってきている昨今。企業マニュアルを英語や日本語に翻訳する必要があれば、企業ごとの専門技術についても翻訳を行う必要があります。これらは、ただ言語を変換すればよいというものではなく、各々の専門知識を身につけていなければ、質の高い翻訳を行うことはできません。
そこで、翻訳スキルを持っている人が、さらに各分野の専門知識を勉強すれば、専門的な翻訳者として活動することはできるでしょう
ところが、映像翻訳となると、そうはいきません。

映像翻訳とは、多くの人にとって最も身近な翻訳ジャンルのひとつではないでしょうか。
たとえば海外の映画を観る場合、日本人がそのまま観たとしても、映画の内容を理解することは難しいでしょう。英語ができない人が英語を聞いても、理解できないのは当然です。
そこで活躍するのが字幕です。字幕が表示されていれば、映像の内容を全て把握することが可能です。聞こえている音声は英語であっても、字幕があればその意味を理解できるのです。
また、子どもにとって役立つのが吹き替えです。難しい漢字が使われることも多い字幕ではなく、吹き替えであれば文字を読む必要もありませんし、日本語の映画と同様に観ているだけで内容を理解できます。
このように、映画で使われる字幕・吹き替えのための翻訳を映像翻訳といいます。様々な翻訳分野のなかでも、映像翻訳は独特かつ高いレベルのスキルを要求されることをご存じでしょうか。

2. 映像翻訳・字幕作成が難しい理由とは

字幕用に映像を翻訳する際には、様々な技術が必要となります。
まず日本語と英語の違いについて理解しておかなければいけません。日本語と英語では、意味が同じ単語であっても、読む長さは異なります。また、文法が全く異なるため、同じ意味の文章でも日本語と英語で長さが大きく変わることがあります。
もし、映像から聞こえてくる英語の音声をそのまま日本語に翻訳して文章に起こした場合、どのようなことが起きるでしょうか。
きっと文章が極端に長くなってしまうはずです。
字幕は映像に合わせて切り替えられます。極端に長い文章をそのまま字幕として使用した場合、字幕を最後まで読み終わる前に次の字幕へ切り替わってしまいます。これでは内容を理解するどころか、字幕を読むことで精いっぱいになってしまいます。
そのため、音声(英語)の意味を大きく損なわないように、重要なポイントをおさえたうえで、人が一目で読める程度の長さに調整しなければならないのです。
この、音声のなかで重要なポイントを見極めるという作業は、とても難しいものです。1文であればそれほど難しくないかもしれませんが、映画一本を丸ごと翻訳するとなると、難易度は増します。映画は最初から最後まで物語がつながっており、何気ない言葉ひとつが最後の結末に響くこともあるので、ストーリー全体を通して一つひとつの字幕を考える必要があるからです。

3. 吹き替え用の翻訳はさらに難しい

映像翻訳のなかでも、字幕用の翻訳は難易度が高いのですが、吹き替え用の翻訳はさらに難易度が増します。吹き替え用の翻訳の代表例は、声優が用いる台本です。
吹き替え翻訳が難しい要因は、口の動きにあります。字幕用の翻訳では、音声の重要なポイントをおさえたうえで、人が一目で読める程度の長さにすることが重要でした。しかし、吹き替えの場合は、作品内でしゃべっている人の口の動きに合わせて言葉を作らなければいけないのです。
日本語と英語は全く異なる言語であり、同じ意味を示す言葉で合っても、長さが異なります。そのため、英語をしゃべっている口の動きにそのまま日本語訳を合わせても、動きも長さも合わないという事態が起きてしまいます。
その差をいかにして埋めるか。そして、重要なポイントを抑えたうえで、きちんと意味が通じる翻訳ができているか。これが吹き替え用の翻訳の難しいところです。
もちろん、映像翻訳でも英語以外に中国語や韓国語を翻訳する場合もありますが、どの言語でも難しいことには変わりありません。

また、映像翻訳は映画だけでなく、ニュースや報道番組などでも行われます。ニュースや報道番組は、撮影後すぐに映像が使われることも多く、その分映画ほど翻訳に時間をかけられない場合もあります。時間の制約が加わることで、翻訳作業はさらに難しいものとなるでしょう。

4. 映像翻訳も翻訳会社に依頼できる

映像翻訳は、専門的な知識および技術が必要となるものです。もちろん映像業界において、撮影から翻訳まで自社で行うという会社は、多くはありません。翻訳に関しては翻訳会社に依頼をしていることがほとんどです。
最近では字幕用の翻訳を必要とするのは、映像会社ばかりではありません。
動画配信サイトが発達している現在は、個人で映像を作成して世界に向けて配信する人も増えています。インターネットで映像を配信すると、日本人だけでなく海外の人の目にも触れるので、字幕が必要となってくるのです。

国内には映像翻訳を学ぶ専門学校もあるほど、特殊な翻訳ジャンルのひとつですが、それだけに翻訳者には豊富な字幕や吹き替えの翻訳経験が求められます。
翻訳会社には、しっかりと経験を積んだ映像翻訳を専門とした翻訳者が在籍しています。なかには映像翻訳を専門とした翻訳会社もあります。
きちんとした技術をもった翻訳者が登録している翻訳会社に仕事を依頼をすることが、素晴らしい映像作品を作るうえで必要不可欠なのではないでしょうか。

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