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翻訳マネージャーコラム

簡単なように見える英語翻訳のニュアンス

2017年08月17日

英語の単語は簡単なのに翻訳が難しい場合

英語を翻訳していくなかで、難しいことはいったい何でしょうか。
長文を翻訳することでしょうか? 確かに英語をはじめとして、外国語を翻訳するときは集中力を必要としますから、難しいでしょう。
他には? 難しい専門用語が並んだ翻訳はどうでしょうか。これもまた翻訳は難しい部類になるでしょう。専門分野の知識を必要とするので、ただ英語の読解能力が高いだけでもいけません。
しかし一見簡単そうに見える単語を文章でも、日本人では翻訳しづらい場合もあるのです。今回は簡単そうに見えて、簡単ではない翻訳の例を紹介します。

1. 簡単なようで意外と難しい翻訳の例

夏休みや冬休み、実家の帰省する方も多いでしょうか。
そんなとき、「実家に帰る」というのを英語圏の人に伝えるとしたらどのような英文を使いますか?
I return to my house.
日本人の感覚だと、この英文で伝える方も多いかもしれません。
ちなみに、この英文だと「実家に帰る」という意味は伝わりません。「自分の家に戻る」という意味で捉えられてしまうのです。
この場合、どうすれば伝わるかというと……、
I return to my parents’ house.
この英文です。そうです、重要なのは「parents」という言葉なのです。「実家」は誰の所有物なのか、文化による捉え方の差が色濃くわかる文章になっています。
「実家」は「自分の両親が所有する家」ということなのです。
日本では小さい頃から「うちに遊びに来る?」という言い回しをします。自分の所有物ではないとわかっていても、あくまで「自分の家」という気持ちがあるからか、日本人はこの「parents」をつけないことが多いようです。

もうひとつ、日常会話で外国人とコミュニケーションを取りたいとき、このフレーズを使うことシーンは珍しくないと思います。
「あなたの趣味は何ですか?」
そして「趣味」という単語は中学生レベルで必修。「hobby」という単語を教えられるはずでしょう。
そんな日本の教育環において、英語で「あなたの趣味は何ですか?」と聞くときに、
What is your hobby?
という風に聞く人が大多数なのではないでしょうか。
しかし、この文もネイティブの人にはちょっとそのニュアンスが伝わらない可能性があることをご存じですか?

実は、英語で「hobby」は「特殊で、一般の人がやらない趣味」を指します。
切手集め、鉄道切符集めなど、日本でいえば“マニア”と呼ばれるような趣味が「hobby」なのです。
ですから、スポーツや読書など、ごくありふれた趣味として通じるものは「hobby」にはなりません。
この日本語の「趣味」という言葉の意味の広さが、英語に変換したとき、違った意味合いになってきてしまうのです。
よりナチュラルにネイティブの人に理解を得やすい「あなたの趣味は何ですか?」という英文は、
What do you do in your free time?
という文になるのです。
直訳すると「あなたは自由な時間に何をするの?」ですが、意訳すれば「あなたの趣味は何ですか?」と捉えることはできなくはないでしょう。

2. 文法・構文を感覚で捉えるということ

It is hard to finish my job
これは学校の授業だと、「It が形式主語だから、to以下を指示している」なんて小難しく考えてしまいがちです。
この文章は
「It is hard」
「to finish my job」
の2つに区分するとわかりやすくなります。それぞれ、
「それは、しにくい」
「自分の仕事を終わらせることが」
ですね。

そもそも「It is hard」とだけを言われても、「で、何がしにくいの?」ということになります。
「It is hard to part.」これも「別れ難い」としてもいいですし、もっとストレートに「別れが辛い」と訳してもいいでしょう。
「別れにくい」だと何だか意味も伝わらなくなってしまいますよね。
多くの場合、「toがついて、その文章の内容を詳しく説明している」という程度に捉え、それほど難しく捉える必要はありません。

3. 英訳も難しい大阪弁の「なあ」「ええ」

大阪弁でよく使われる言葉のひとつに「なあ」があります。
「アンタもそうやろ? なあ?」
という風に自分の意見を強調したり、誰かに賛同の意思表示に使う「なあ」を、英語ではどう訳すのかが難しいそうです。
ある程度には意味がわかっていても、この「なあ」を自然に使うには、その地域の文化に精通している必要があるために、プロの翻訳者でも翻訳が難しいようです。
そもそも日本語においては「なあ」という言葉ひとつとってみても、奥深い単語ですよね。
「僕はそう思うんだけどなあ」と「僕はそう思うんだけど、なあ?」なんて、文字にするとわかりづらいイントネーションが出てきます。
また、「ええ」という大阪弁も翻訳しようとすると、なかなか厄介な言葉へと変貌します。

ええの?:Are you sure?
ええよ/ええで:Sure.
ええやろ?:(It’s)nice, don’t you think?
ええやろ!:Who cares?
ええやん:It’s nice.

『「なんでやねん」を英語で言えますか? 』(出版・KADOKAWA/著・川合亮平)より

この英訳を見て、何となく翻訳の意味合いに納得できるのではないでしょうか。
しかし、大阪弁に馴染みのない人であれば、たとえ日本人であろうと途端に意味が捉えにくくなります。
当然、外国人からすれば、よほど日本の中でも大阪の文化に触れない限り、難しい言葉になるでしょう。

4. 方言など難しい翻訳に出会った場合……

翻訳者でも難しいと感じるような日本語の存在、また、学校で習った英語では、英訳や和訳をするのが意外と難しい場合もあることが、お分かりいただけたでしょうか。
もちろん、これはあくまで氷山の一角です。日常会話でも翻訳文でも、学校では習わない文章が飛び交っています。
そこで、重大な文章を翻訳しなければいけない場面に出会ってしまったら、ぜひプロの翻訳会社にご相談ください。
翻訳会社にはプロの翻訳者が多数登録しており、様々なパターンの翻訳に対応できます。
今回のように、方言の意味合いまで含めてきちんと翻訳しなければならない場合は、プロの翻訳会社であれば、間違いなくしっかりとした翻訳文に仕上げてくれることでしょう。

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