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翻訳マネージャーコラム

Google翻訳について

2019年06月20日

Google翻訳について考える

 

Google翻訳と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。英語と日本語の翻訳のために使用しても変な日本語で訳されたりするというネガティブな印象がまだ根強く残っていると思います。単語レベルでは翻訳できるのに文章で翻訳すると全く意味の通らない文が現れたりすることも珍しくありませんでした。しかしながら、Google翻訳を始め、近年自動翻訳の精度は格段に改善され、信頼性が生まれてきました。欧米諸国を主に、経済大国はグローバル化したビジネスで生き残れるよう、自動翻訳機能を駆使してウェブサイトや商品説明などを様々な言語で作成し、多言語で対応する動きが見られます。今回の記事では、Google翻訳が改善した背景やその強みと弱みなどについてお話していきましょう。

Google翻訳の強み

まずGoogle翻訳の強みの一つは「用語」の翻訳です。翻訳者は時に専門外の翻訳を受けることもありますが、専門外の用語の下調べには思いのほか時間が取られます。しかし専門用語が入っている単純な短文ならGoogle翻訳は高い精度を持って翻訳してくれます。翻訳者の中には下訳の時点でGoogle翻訳を使用しある程度の翻訳を機械にまかせ、その後自分で手直しする人もいるようです。次にGoogle翻訳は複雑な文法が入っていない短い文章ならたいてい高精度で翻訳可能です。関係代名詞や複雑な構文が入っていない文章であれば最近は手直しする必要がないほどの成果が出ます。その上、教科書などに出てくる「正しい文法」で書かれた文章であれば多少長い文であっても変な訳になることもなく翻訳できます。
機能性の面で言えば、リアルタイム・カメラ翻訳や、音声入力、手書き入力などの機能が備わったことで、一句一句言葉を入力する必要がなくなりました。旅行先であれば看板の写真を撮るだけで訳を提供してくれますし、会話であってもリアルタイムでの翻訳が可能となりました。タイ語やアラブ語などタイプの仕方すらわからない言語でも簡単に対応できるようになったことでGoogle翻訳の強みは増しました。

Google翻訳の弱み

上のGoogle翻訳の強みにおいて、短文であれば翻訳の精度が高いと述べました。その逆でつまりGoogle翻訳の弱みは長文の翻訳の精度が低いということです。関係代名詞などを使用した複雑な長文になると翻訳の正確性が欠いてしまいます。原文が正しい文法で書かれていないと正しい翻訳にならない場合が多いです。ネイティブであってもメッセージや文句(クレーム)などの文章であればスペルミスなどがあるので、それらを正しい翻訳文にできることは少ないです。そして最後に文脈を考慮して正しい単語の意味を見つけることが常にはできません。長所で用語の翻訳には適していると書きましたが、あくまでもひとつの単語に複数の意味がない場合と捉えるといいかもしれません。たとえば筆者が「ワンピースを着る」の中国語訳が必要だった際、Google翻訳は「海賊王を着る」という中国語訳を与えてくれました。大人気漫画『ワンピース』の中国語訳があてがわれたというわけです。また別の件では、アメリカの特許『FIG』がイチジクとなったことです。FIGは確かにイチジクでもあるのですが、特許の意味では正面斜視図のことです。Google翻訳は前後の文脈から読み取って正しい訳語を提供するということが難しいようです。つまり簡潔に言うと、Google翻訳の弱みは前後の単語や文脈によって適切な単語をあてがえなかったり、長文や間違った文法の原文を正しく翻訳できなかったりと応用力に欠けることです。ただし、ニューラル機械翻訳を採用し人間が翻訳した文章を学習させる機能がついたことから、この問題点は大幅に改善されていくでしょう。

Google翻訳の使用

ビジネスもますますグローバル化し多言語対応が求められる今、自動翻訳を導入している企業は世界各国で増えてきました。顧客意見を集めたアンケート結果や商品説明のデータ集めなど、100%の精度が必要でない場面であれば自動翻訳を使用することで大幅な人件費削減と時間の短縮化が図れます。また翻訳会社でも最初の下訳の段階で自動翻訳を使用することで、翻訳者がより早く作業することができ、結果より多くの案件を引き受けることができるとのデータもあがっています。

翻訳依頼はプロの翻訳会社へ

しばしば自動翻訳が翻訳者の仕事を奪うというような声が聞こえますが、実際問題、機械ができるのは機械的な仕事です。たとえ新たなテクノロジーが開発され、翻訳精度が上がっても言語は人間が使うものです。商品説明や定型文の決まった書類(たとえば役所が用意している申し込み書など)などの無機質的なものであればGoogle翻訳だけでまかなえるかもしれませんが、小説などの出版翻訳、ビジネスで契約を結ぶための資料作成とその翻訳などはただ原文を外国語にそのまま訳せばいいというわけではありません。その国の文化や表現などを熟知し、相手の心に響くような文書作成が重要となります。それができるのはやはり人間のプロの翻訳者による作業だけです。必要に応じ上手にGoogle翻訳を活用しながら、外部に出す書類などはプロの翻訳家がいる翻訳会社に依頼することをおすすめします。

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