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2022年4月のIR英文開示について-Part2

2021年11月22日

海外投資家はIR英文開示の現状をどう評価しているのか

先月の翻訳マネージャーコラムにて、2021年6月に決定したコーポレートガバナンス・コードの改定のポイントをご紹介しました。中でも、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の再編が予定されており、それに伴いIR情報の英文開示の義務化が進む動きが見られることをお伝えしました。

今回は、東京証券取引所が2021年8月に公開した、海外投資家を対象にした英文IR開示に関するアンケート結果の要点をまとめながら、IR情報の英文開示の必要性と、海外投資家が抱えている不満を探っていきたいと思います。

調査期間・調査対象者

東京証券取引所による英文IR開示に関するアンケートの調査期間、調査方法、調査対象者等は以下の通りです。

・調査期間:2021年7月1日~ 2021年8月13日
・調査方法:Webアンケート、ヒアリング(すべて英語)
・調査対象:海外機関投資家等
・回答数:54件(うち機関投資家48件)

対象者の拠点は、ヨーロッパ、アメリカ、アジア(日本を含む)となっていました。

現在のIR英文開示に対する評価

日本の上場企業のIR英文開示への取り組みについての質問への回答は、「改善している」33%、「やや改善している」50%となっており、多くの投資家が、日本企業の英文開示の取り組みを評価していることがわかります。ただ、英文のIRに満足しているか、との質問に対しては、「満足」11%、「やや満足」28%と非常に低い満足度を示しています。

では、具体的にどのような不満があるのでしょうか。たとえば、「要点のみを英語で翻訳しただけですべての情報を英語に翻訳していない企業が多い」「日本語の情報と同時に入手できない場合が多い」「他のアジア市場や世界水準と比較すると英文開示がまだまだ遅れている」などの意見が挙がっています。多くの投資家の意見として、多数の企業で一部のみの英文開示は当たり前になってきているけれども、詳細な情報は日本語でしか提供されていない点、英文情報を提供するタイミングが遅れる点に不満を抱いているようです。大型企業に関しては、ここ数年でIR英文開示についての大きな改善が見られていますが、中型・小型企業に投資している投資家も多いため、中型・小型企業に対する英文開示も強く求められていることがわかりました。

英文開示が不十分のままだと投資に影響を及ぼすのか

アンケートの中には、英文開示が不十分なことでどのような不利益があったかという質問もありました。中でももっとも多かった意見が、「事前に十分な情報を得られず分析がうまくできないため上場企業との対話が深まらなかった」というものでした。また、「英文開示が不十分な企業についてはディスカウントして評価をした」「投資対象から外す必要があった」という声もありました。その他には、「英文IR情報が少ないため、日本語の情報を自ら翻訳ツールにかけて翻訳しなければならず、分析に時間がかかる」という不利益も挙がっていました。

翻訳はプロの翻訳会社へ

今回の翻訳コラムでは、2022年4月のIR英文開示PART2ということで、東証が行った英文開示の現状調査について掘り下げてご紹介しました。多くの投資家が、日本企業のIR英文開示に対する改善を評価している一方、まだまだ世界水準には満たないと不満を抱いている現状です。企業IRの英文開示の不十分さは、海外投資家が不利な立場に置かれることを意味し、投資家の投資行動に多大な影響を及ぼしています。大企業はもとより、中型・小型企業による、詳細でタイムリーな情報の英文開示についてさらなる改善が求められています。

今回のアンケート結果の裏を返せば、企業は詳細な英文情報をタイムリーに開示することにより、より多くの海外投資家にリーチでき、企業の発展に役立てることができます。東証では、2022年4月に市場区分の見直しが予定されていますので、その時期を目指して、IRの英文化を徹底することをお勧めします。IRの翻訳を外注する際には、日本および現地のことばと法律を十分理解し、文脈をきちんと把握できるプロの翻訳会社への依頼がおすすめです。翻訳会社JOHOでは、長年英文IRに携わってきた経験があり、企業のさまざまな情報を英文化するサポート体制が整っています。

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