論文を翻訳する際の選択肢とは?PDF対応のおすすめ無料ツール&精度を上げるコツも紹介
論文を効率的に翻訳するには?
論文を翻訳する際、「どのツールを使えば良いのか?」「無料で精度の高い翻訳はできるのか?」と悩むことはありませんか?
特にPDF形式の論文は、テキストデータの処理が難しく、翻訳作業に手間がかかることもあります。
そこで本記事では、25カ国語に対応した翻訳サービスを提供するJOHOが論文翻訳の選択肢や、無料の翻訳ツールについてご紹介。
【この記事でわかること】
・論文翻訳をする方法
・おすすめの無料論文翻訳ツール・サイト
・無料ツールで論文翻訳の精度を上げる方法
論文の翻訳作業をスムーズに進めたい方や、より精度を高めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
論文翻訳とは?一般的な翻訳との違い
論文翻訳とは学術研究の成果を広く共有するために、ある言語で書かれた論文を別の言語に翻訳することを指します。
ビジネス文書やニュース記事などの一般的な翻訳と比較して、論文翻訳には以下のような特徴があります。
・専門用語の理解・適切な訳語が求められる
・フォーマルで論理的な表現が求められる
・フォーマットや引用ルールの遵守が必要
論文には特定の分野の専門用語が多く含まれており、単なる直訳ではなく、正確な意味を伝える適切な訳語を選ぶ必要があります。
翻訳者は分野ごとの知識を持ち、研究背景を理解していなければなりません。
また、論文は客観性・論理性を重視する学術文書であり、一般的な文章よりも明確な表現が求められます。
主観的な表現や曖昧な言葉は使用せず、論理的な文章構成を維持することが必要です。
さらに他の研究を引用する際に正しい引用フォーマットを守らなければ、盗用と見なされるリスクもあり、細かいルールに配慮する必要があります。
論文翻訳をする際の方法・選択肢
論文翻訳をする際の方法・選択肢は、以下の通りです。
・PDF和訳が可能なツールを活用する
・プロの翻訳者に依頼する
・クラウドソーシングで依頼する
・ネイティブチェックサービスを利用する
それぞれのメリット・デメリットについてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
PDF和訳が可能なツールを活用する
PDF形式で提供される論文が多いため、PDF和訳が可能なツールを活用することがおすすめです。
一旦テキスト化してから翻訳するのは手間がかかるため、以下のツールを活用することで、大幅に時間を短縮できます。
しかし、機械翻訳には限界があり、専門用語の誤訳や文法の不自然さを修正する作業が不可欠です。
機械翻訳はあくまで翻訳の下準備として活用し、その後、適切な編集を行うことが重要です。
【自動翻訳ツールの活用方法】
①機械翻訳ツールを利用して下訳を作成する
②専門用語の修正・フォーマルな文体に調整する
③適切な引用ルールを適用する
④全体の論理性が確保されているかを確認する
素早く翻訳のベースを作り、後から修正する余裕やスキルがある方に適した方法といえます。
プロの翻訳者に依頼する
論文を翻訳する際、高品質な翻訳を得るための最も確実な方法は、プロの翻訳者に依頼することです。
特に学会で発表する論文など、高度な専門性が求められる場合や、自分で翻訳する時間や知識がない場合に適しています。
プロの翻訳者に依頼するのは、以下のようなメリットとデメリットがあります。
翻訳者は単に言語能力が高いだけでなく、論文翻訳に必要な専門知識やスキルを持っているため、専門用語も正確に訳すことが可能です。
翻訳サービスを提供するJOHOでは各分野に精通した翻訳者が対応し、すべての翻訳においてネイティブチェックを実施します。
このように翻訳会社では専門用語の正確性を確保し、論文のフォーマットを維持しながら翻訳を行うため、完成度の高い仕上がりが期待できます。
一方で、1単語15円前後のコストがかかる点や、納品までに時間がかかる点がデメリットです。
無料の自動翻訳ツールに比べて費用が発生し、即日での対応が難しい場合もあります。
短い納期での依頼には追加料金がかかることが多いため、予算と納期のバランスを考えて利用することが重要です。
正式な場で使用する論文の翻訳など品質が重視される場合に、おすすめの翻訳方法と言えます。
クラウドソーシングで依頼する
論文翻訳を以下のようなクラウドソーシングサイトで依頼することは、ある程度の品質の翻訳を得るための有効な選択肢です。
・クラウドワークス
・ランサーズ
・Upwork
クラウドソーシングは翻訳者によるものの、翻訳会社へ依頼するより費用を抑えられる可能性が高いです。
また、評価・レビューをチェックすることで、自分に合った翻訳者を選べます。
一方で、翻訳者のスキルが保証されているわけではないため、必ずしも高品質な翻訳が得られるかは分かりません。
また、専門知識が不足している可能性があるので、事前に該当分野での翻訳経験があるかを確認しておくことが大切です。
費用を抑えつつ、ある程度の品質の翻訳を求める方に向いている翻訳方法と言えます。
ネイティブチェックサービスを利用する
自分で翻訳した原稿をネイティブチェックサービスに依頼すると、質の高い英語の論文を効率的に作成できます。
翻訳した言語を母語とする翻訳者に確認してもらうことで、翻訳ミスを防げるだけでなく、学術論文として自然な表現に仕上がります。
一方で、翻訳自体は自分で行う必要があるほか、1単語当たり10円前後の費用がかかることがデメリットです。
翻訳のスキルがある程度あるものの、文法や表現・論文特有の語り口に自信がない人に特におすすめと言えます。
おすすめの無料論文翻訳ツール・サイト比較【PDF文書にも使える】
論文翻訳に使える無料のツール・サイトについて、ご紹介します。
翻訳ツールを使用することで、時間を短縮できるだけでなく、コストを抑えられます。
ただし、専門用語の誤訳や文法の不自然さを修正する作業が必要なため、下訳として利用することがおすすめです。
以下ではそれぞれのツールの特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
DeepL翻訳
DeepLは、高品質な翻訳を提供する機械翻訳サービスであり、論文の翻訳においても、より自然で読みやすい訳文を生成することが可能です。
■DeepLの翻訳精度のポイント
・自然で流暢な文章を生成する能力に優れている
・専門用語の翻訳は必ずしも正確とは限らない
・誤訳や訳抜けが発生する可能性がある
自然で流暢な文章を生成する能力に優れており、ビジネス文書の翻訳などで高い精度を誇ります。
しかし、専門用語の翻訳が必ずしも正確とは限らず、誤訳や訳抜けが発生する可能性があるため、注意が必要です。
特に医療翻訳では専門用語の正確な翻訳が重要になるため、DeepLの翻訳結果をそのまま使用するのはリスクがあると言えます。
そのため、機械翻訳の結果をチェックし、適宜修正するポストエディット作業が不可欠です。
DeepLは無料で利用できますが、完全な機能を使うには有料版への登録が必要になります。
無料版と有料版の主な違いは以下の通りです。
無料版でも翻訳精度自体に違いはありませんが、文字数や文書ファイルの制限があります。
論文は文字数が多く、PDFなどの文書ファイルの容量も大きいため、有料プランの利用がおすすめです。
また、有料プランでは翻訳結果をブラウザ上で直接編集できるため、誤訳の修正や表現の調整がしやすく、より正確な翻訳を実現できます。
Google翻訳
Google翻訳は完全無料で利用できる翻訳機械翻訳サービスで、手軽に使えますが、利用する際には以下の点に注意が必要です。
1回の翻訳で対応できる文字数は最大5,000文字までに制限されており、ファイル翻訳の場合は最大10MBまで対応しています。
PDFの翻訳については最大300ページまで可能ですが、それ以上のページ数がある場合はファイルを分割する必要があります。
また、Google翻訳は翻訳した内容のセキュリティが保証されていないため、機密性の高い文書の翻訳には適していません。
翻訳の精度については直訳的な傾向があり、文脈によっては不自然な表現になることがあります。
特に、専門的な文書や自然な日本語表現が求められる文章では、DeepLと比較すると分かりづらい場合があります。
ただし、完全無料で利用できる点は大きな魅力であり、短い文章の翻訳や多言語対応が必要な場合には、手軽に使える便利なツールです。
ChatGPT
ChatGPTは翻訳専用ツールではありませんが、プロンプトを工夫することで高精度な論文翻訳が可能になります。
■基本的なプロンプトの例
・〇〇を日本語に翻訳して
・次の文章を英語に翻訳してください(翻訳する文章)
・論文の専門用語を適切に訳し、学術的な文体で翻訳してください
・次の専門用語は統一してください:〇〇 → △△
また、テキストデータが含まれるPDFなどの文書ファイルをアップロードし、翻訳することも可能です。
さらにChatGPTは翻訳だけでなく、論文の要約や解説も同時に行うことができるため、必要な情報を効率的に収集できます。
ただし、ChatGPTにはプランごとに文字数や使用回数の制限があり、具体的な上限は公開されていません。
一度に処理できるテキスト量には実質的な制限があるため、長文の翻訳には分割が必要になり、手間がかかることがあります。
ChatGPTの翻訳は概ね意味が通じるレベルですが、文脈や専門用語の取り扱いに限界があり、完全な正確性は保証されません。
特に直訳の傾向があるため、専門用語や表現の正確性には注意が必要であり、翻訳後のポストエディットが推奨されます。
無料ツールで論文翻訳の精度を上げる方法
無料ツールで論文翻訳の精度を上げる方法は、以下の通りです。
・逆翻訳チェックを活用する
・複数のツールを組み合わせる
・Grammarlyを活用する
・ネイティブチェックを活用する
Google翻訳などの無料翻訳ツールは、一定の精度があり利便性が高いです。
ただし、専門用語や文脈の正確性は保証されるわけではないため、ポストエディットが必要になります。
以下では効率的に精度を上げるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
逆翻訳チェックを活用する
逆翻訳とは一度翻訳した文章を元の言語に再翻訳することで、翻訳の正確性が向上し、微細な誤解やニュアンスのズレを発見できます。
英語論文の和訳を校正する際の手順は、以下の通りです。
・翻訳ツールで論文を和訳する
・和訳した文章を英訳し、再度和訳する
・原文と比較し、誤訳やニュアンスのズレを確認する
プロセスにより翻訳の精度を向上させ、専門用語や文脈の違いを調整することが可能です。
ただし、自動翻訳はあくまでも機械が行っているため、逆翻訳を実施しても誤訳のリスクが完全になくなるわけではありません。
また、逆翻訳の結果を正しく評価するには、ユーザー自身にもある程度の語学力が必要になります。
複数のツールを組み合わせる
複数の翻訳ツールを組み合わせることで、論文翻訳の精度を向上させることが可能です。
例えば、以下のプロンプトでDeepLで翻訳した文章をChatGPTに校正させることで、より正確で学術的な文体に整えられます。
「次の翻訳文を、学術的な文体に整えてください。」
「この英文の意味を誤解なく伝える翻訳をお願いします。」
また、Google翻訳の直訳とDeepLの自然な訳を比較することで、より適切な訳を選択できます。
それぞれのツールの特徴を活かしながら、翻訳の見直しや修正を行うことで、無料でも高精度な翻訳を得る工夫が可能です。
Grammarlyを活用する
Grammarly(グラマリー)は、英文を校正してくれる添削ツールであり、文法・語彙の改善や論文の信頼性向上に役立ちます。
■主な機能
・英文法の校正・スペルチェック
・ブラッシュアップするための表現提案
・盗用検出機能
GrammarlyのアプリやWeb版にアクセスし、英文を入力するだけでミスの修正や文章表現を高める提案を受けられます。
また、有料プランでは盗用検出機能があり、自分の文章が既存の文献と重複していないかを確認することが可能です。
さらに引用が必要な箇所をハイライトで表示してくれる機能もあるので、論文の信頼性向上に役立ちます。
ただし、日本語訳には対応していないため、英語で論文を作成する際や盗用チェックをしたい場面での活用がおすすめです。
ネイティブチェックを活用する
機械翻訳にネイティブチェックを組み合わせることで、翻訳の品質をさらに向上させることが可能です。
完全無料ではありませんが、機械翻訳を行うことでコストを抑えながら高品質な翻訳を実現できます。
ネイティブチェックは1単語あたり10円前後のコストがかりますが、ネイティブが読んでも違和感がない文章に仕上げることが可能です。
特に学術論文やジャーナル投稿など、厳密な文法や論理の一貫性が求められる場面では、翻訳の精度を大幅に向上させることができます。
JOHOでは翻訳だけでなく、ネイティブチェックのみのご依頼も承っています。
専門分野に精通したネイティブスピーカーが校正を行うため、正確で信頼性の高い翻訳を求める方に最適です。
翻訳のクオリティをさらに向上させたい方は、ぜひJOHOの無料お見積りをご利用ください。
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まとめ:論文翻訳で精度を重視するなら、翻訳会社への依頼もおすすめ
論文の翻訳では単なる言語変換だけでなく、専門用語の正確性・論理構造の維持が求められます。
機械翻訳を活用すれば一定の精度を保ちながらコストを抑えられますが、誤訳や不自然な表現のリスクがあるため、修正作業が必要不可欠です。
特に学術論文やジャーナル投稿では、厳密な文法や論理的な一貫性が求められるため、機械翻訳のまま提出するのはリスクが伴います。
翻訳の精度を重視するなら、専門分野に特化した翻訳者が対応する翻訳会社への依頼がおすすめです。
JOHOではすべてにネイティブチェックを導入しており、学術的に適切で自然な表現に仕上げることができます。
論文の翻訳クオリティを向上させたい方は、ぜひ専門の翻訳会社への依頼も視野に入れてみてください。
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