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翻訳マネージャーコラム

映像翻訳のスキルは非常に高い

2017年03月10日

字幕と吹き替えは異なる翻訳?

主に海外の映画やドラマ、報道番組などの字幕や吹き替えで行われる映像翻訳。特にアメリカの映画やドラマは、昔から日本でも数多く放送され、英語から日本後への字幕作成・吹き替えが行われています。
最近では日本の作品が海外で評価されることも多く、日本のアニメが海外で人気を博していることもあり、日本語から外国語への翻訳の需要も高まっています。
そんな映像翻訳ですが、字幕と吹き替えはほとんど同じ工程で作成されると思われるかもしれません。しかし、この2つは大きな違いがあります。
同じ映像翻訳であっても、字幕と吹き替えで異なる点とは何でしょうか?

1. 映像翻訳における字幕と吹き替えとは?

翻訳には、映像翻訳以外にも金融翻訳や医療翻訳など、様々なジャンルがあります。
金融翻訳であれば金融業界の知識が、医療翻訳では医療に関する知識が必要となります。これらの翻訳は、英語をはじめとした外国語の読み書きができればいいというものではありません。また、1人の翻訳者が全ての分野の翻訳を行うのも難しいのです。
さらに、各翻訳分野もさらに細分化されます。医療であれば、病気に関する書類の翻訳もあれば、薬に関する文書の翻訳もあるからです。
同じように、映像翻訳おいても字幕と吹き替えという2つのジャンルに分かれます。
字幕は、映像のなかで登場人物がしゃべっている言葉の内容を文字としてあらわすもの。吹き替えは、登場人物のセリフに放映される国の言葉をあてるものです。声優のセリフの吹き替えなどは、映像を元に翻訳者が書いたものがほとんどです。
字幕と吹き替えは、同じ映像翻訳に分類されるものですから、それほど大きな違いはないように思われます。
ところが、この2つは翻訳の際に重視するポイントが違えば、手法も違うのです。

2. 字幕と吹き替えで異なる翻訳ポイント

映像翻訳で字幕と吹き替えが大きく異なる要因は、それぞれ重視するポイントが違うことにあります。字幕が文字数を重視するのに対して、吹き替えは口の動きを重視します。
たとえば、お手持ちの海外映画のDVDを再生してみてください。そのとき、字幕表示をしたうえで、吹き替えで視聴してみてください。字幕と吹き替えでは全くといっていいほど、セリフの内容が違うことがわかるかと思います。
字幕と吹き替えでは、セリフの内容すら変わってしまうこともあります。なぜこのようなことが起きるのか。まず字幕に着目してみましょう。
英語が使われている映画では、一般的に俳優は非常に速いスピードで話しています。ほんの数秒で多くの内容をしゃべっており、セリフの内容を全て日本語に翻訳すると、数秒では読み取れないような、膨大な量の字幕になってしまいます。
人間が数秒で読むことができる文字数はおおよそ決まっているので、最後まで読むことができる文字数に削らなければいけません。
対して吹き替えは、基本的にはセリフの文字数を重視する必要はありません。人間は目で黙読するよりもしゃべるスピードのほうが速いですし、吹き替えであれば観客が文字を読むことを考慮する必要もないからです。
しかし、登場人物の口の動きに合わせた吹き替えを作る必要があります。これには、登場人物の息遣いにも注目してセリフを作る必要があるため、字幕とはまた違った難しさがあります。

3. 字幕と吹き替えの細かいこだわり

映像翻訳において、字幕と吹き替えの翻訳の難易度は比較できません。しかし、他分野の翻訳と比較しても、特有の難しさがあることがわかります。
まず、文書の翻訳とは異なる語学力が求められます。
冒頭で例に挙げた金融翻訳の場合は、金融市場のレポートなどを翻訳します。つまり、すでに存在する文書を翻訳することになります。これは「読む力」が大きく関わるでしょう。
一方、映像翻訳は映像から流れる音声を翻訳します。これは読む力、書く力だけでなく「聴き取る力」が必要になるということです。
また、映像翻訳では字幕のようにセリフに合わせながら、できるだけ少ない文字数で作成するものもあれば、吹き替えのように登場人物の口の動きに合わせて翻訳を行うものもあります。
他の分野の翻訳のように、どれだけ文章が長くなっても正確な翻訳をするほうが望ましいというわけではなく、その場面に合った表現を使いながら文字数を合わせていけないのが映像翻訳です。これは、専門知識はもちろん、経験や経験によって左右されるものでもあります。

海外作品では、『アナと雪の女王』や『ラ・ラ・ランド』など、歌をメインにしたミュージカル映画も再び人気を博しています。ディズニーの新作『モアナと伝説の海』もそうですね。
音楽は、メロディーこそどの国でも共通のものですが、歌詞はその国の言語に合わせて翻訳しなければなりません。ところが、字幕と同様に直訳してしまうとメロディーに当てはまらない。そのため、メロディーに合わせながら意味が通るような翻訳が要求されます。
さらにセリフの吹き替えでも『アナと雪の女王』は、キャラクターの口の動きが不自然にならないよう、日本語詞の語尾の母音が、英語詞の語尾の母音と一致するように翻訳されているという、細かい手法がとられています。
このような例は稀かもしれませんが、映像翻訳においては作品ごとの細かいこだわりも必要となってくるのです。

4. 専門的な翻訳ほど翻訳会社が心強い

先に例として挙げた金融翻訳や医療翻訳は、専門知識が必要であるため翻訳会社に依頼しての翻訳が一般的となっています。
また、医療翻訳に関しては人の命がかかわるものでもあるため、必ず正確な翻訳をしなければなりません。
映像翻訳は、人の命がかかわるということはありません。しかし、医療や金融と同じように、専門的な技術が必要とされる翻訳ジャンルです。知識だけではなく、経験と感覚が豊富な翻訳者でなければ難しいでしょう。
もし映像翻訳を翻訳会社に依頼する場合は、その翻訳会社が手がけた作品例などもしっかり確認しておいてください。
字幕や吹き替えは映像の一部です。この部分がしっかりと作り込まれていなければ、作品の命にかかわってくるのですから。

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