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翻訳マネージャーコラム

正確な翻訳のための英語校正と校閲

2017年02月14日

正確な翻訳を行うために③校正と校閲

翻訳会社にとって正確な翻訳をするためには校正作業が欠かせません。
校正とは、出版物では一般的に文章の誤字・脱字・表現などを修正する「文字校正」のことを指します。原稿、写真、図版などを使ってレイアウトを組み、出力した校正紙をチェックして、誤りがあれば「赤字」を入れていくのです。
書籍や雑誌を作るうえでは、編集者はもちろん、校正を専門にする「校正者」もチェックし、もちろん著者も校正を行います。こうして何重にもチェックし、何度も校正を重ね、誤りがない状態で書籍や雑誌を世に送り出すことになります。
では、翻訳会社にとっての校正作業とは、どのようなものなのでしょうか。
今回は、翻訳を依頼する場合どんな翻訳会社に依頼しればよいのかについて、校正という点からご紹介したいと思います。

1. 校正と校閲の違いとは?

2016年秋、石原さとみさん主演のテレビドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール』で校閲という仕事に注目が集まりましたが、皆さんは校正と校閲の違いをご存知でしょうか?
校正は主に文字の修正ですが、校閲とは文章や原稿の内容に矛盾や事実関係の誤りがないかチェックする作業をいいます。ドラマで石原さとみさんが担当していたのは、主にこの意味での校閲でした。こうした校閲作業も含めて「校正」と呼ぶケースもあります。

翻訳会社にとっての「校正」とは、まさに校閲的な意味も含めた修正をいうのではないでしょうか。
翻訳依頼が来た文章は、まず担当者が翻訳を行います。翻訳会社なら、出来上がった翻訳をチェックする=校正するスタッフもいるかもしれませんが、個人だとなかなか校正作業まで完璧にこなすのは難しいかと思います。
それだけ翻訳と校正作業は、違うものだからです。
一方でクライアントにしてみれば、プロの翻訳者(あるいは翻訳会社)に依頼しているのだから、間違い(誤字・脱字など)はないだろう、と考えるのが当然です。
それでも校正・校閲がなされていないことに原因がある、翻訳トラブルは絶えません。それはなぜでしょう?

2. 校正・校閲をクライアントに任せない

書籍・雑誌の仕事では「著者校正」を行いますが、その場合の著者は作家さんやライターさんであることがほとんどで、つまり原稿に関するプロフェッショナルです。校正作業についても問題がある時は、当然のことですが編集者と相談のうえ、修正していきます。
ところが翻訳の場合、納品の前に依頼主、クライアントに内容を確認してもらうことになりますが、このクライアント校正に頼ってしまう翻訳者がいるようです。
翻訳のクライアントは、作家やライターのような、原稿に関するプロフェッショナルではありません。そこで翻訳者・翻訳会社が校正をクライアント任せにしていては、何の意味もないのです。
多くの場合クライアントは、まず原文に何が書かれているのかがわからないので、翻訳会社に依頼しているのですから……。

クライアントからしてみれば、どれだけ専門性の高い文章であっても、翻訳者にはしっかり専門用語も調べ、翻訳してほしいと思うものです。
大きな翻訳会社であれば、様々な専門分野に通じた翻訳スタッフを抱えているかもしれません。もし専門知識に通じていなくても、プロならまず翻訳者が、原文に書かれている専門用語なども全て調べ上げ、かつ専門的な文章に翻訳し、納品することが求められます。
しかし、それでも専門家でないかぎり、誤字・脱字・表現の誤り・矛盾・事実関係の誤りなどが起きる可能性はあります。

3. 専門の翻訳者と、専門家の校正

翻訳会社を選ぶ際には、この校正=チェック体制がどれだけ整っているかを確認してみてください。確認するポイントは、主に次のようなものです。

・納品が速すぎないか? 料金が安すぎないか?
・ネイティブチェック、ダブルチェックは行われているか?
・専門家による校正は行われるか?

1.納品が速すぎないか? 料金が安すぎないか?

クライアントにとっては、翻訳の納品ができるだけ速く、かつ料金もできるだけ安いほうが嬉しいものです。ところが、必ずしもそれがよいとは限りません。
なぜなら納期が速すぎると、翻訳会社が校正・チェックを端折って納品している可能性があります。また、料金が安い場合も同様です。あるいは、校正・チェックのみ別料金として請求されるというトラブルもあります。
発注から納品までの日数、金額、そのなかに校正・チェック作業が含まれているかどうか。
まず翻訳会社を選ぶ際は、見積もりの段階で、料金だけでなく納品までのスケジュールや作業内容も確認しておきましょう。
曖昧な内容を押し通そうとする業者には要注意です。

2.ネイティブチェック、ダブルチェックは行われているか?

担当者が翻訳した文章を、ネイティブ翻訳者がチェックするかどうかも、翻訳会社を選ぶ際のポイントになります。
英語への翻訳なら英語のネイティブが、中国語なら中国語のネイティブがチェックするかどうか、ということです。
さらに他の翻訳者によるチェック(ダブルチェック)も行われると、なお良しです。翻訳と校正を分担して行うシステムが、正確な翻訳を可能にします。

3.専門家による校正は行われるか?

専門家による校正が行われるかどうかも、重要なポイントです。
ここでいう専門家とは、校正の専門家ではなく各分野の専門家……法律関連の翻訳なら法律の専門家に、医療関係の翻訳なら医療の専門家にチェックしてもらうということです。
ビジネスの契約書の翻訳は、契約を結ぶジャンルだけでなく、契約にまつわる法律の知識も必要になってきます。
さらにチェックしてもらう専門家が、翻訳経験・校正経験が豊富な方であるほうが望ましいのは、言うまでもありません。

最後に……実は、ひとつの翻訳に対して校正者が多けれべ多いほどよい、というわけではありません。
校正・校閲とは人それぞれ修正する箇所が異なる場合もあります。それらを全て反映させると、最終的には意味の通らない文章になってしまうこともあるのです。
だからこそ、翻訳者・校正者・ネイティブ翻訳者・専門家による校正をまとめる体制こそが、翻訳会社に求められているといえるでしょう。

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