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翻訳マネージャーコラム

翻訳の歴史からみる翻訳の重要性

2017年08月01日

日本の翻訳と翻訳会社の歴史

いまや世界各国で必要とされている翻訳。翻訳があることで海外から取り入れられた情報を、誰でも手軽に得ることができます。
国際化が進むなかで翻訳の必要性が増し、翻訳者という一つの職業が生まれ、翻訳を専門的に行っている企業があるのです。
その翻訳という仕事は、いつから存在しているのでしょうか?
今回は日本における翻訳の歴史をご紹介します。

1. 翻訳は古代から存在していた

世界的に見れば、他言語間の翻訳は古代から存在しています。
紀元前3200年にはシュメール人が文字を発明しています。その1200年後に、アッカド人の手によってシュメール人は滅ぼされました。
この時アッカド人は、シュメール人が使っていた文字とは違う文字を使っていました。
違う言語で書かれた文字の意味を知りたければ、その文字を自分たちが使っている言語に変換しなければなりません。そこで翻訳という行為が行われます。
結果、この時代には、翻訳によって「シュメール=アッカド辞典」が編纂されました。

では、日本における翻訳はいつ頃からあるのかというと、西暦284年ではないでしょうか。
日本に初めて漢字が取り入れられたのが284である、という記録が残っています。
今は日本語の一部として使われている漢字ですが、そもそもは全て漢字で構成されている中国語を読むために取り入れられたようで、当初は誰もその漢字を読むことができなかったでしょう。
そこで漢字ばかりの中国語を音読みと訓読み、順序の入れ替えなどを用いて、日本語に翻訳していったと言われています。
それが現在、学校で習う漢文のもととなっています。

このように、翻訳自体は古代から存在しており、日本でも行われていたのです。

2. 日本で初めての英語翻訳者は?

日本において中国語の翻訳は古来より存在していましたが、英語の翻訳はどうでしょうか。

日本で英語の翻訳が行われたのは江戸時代初期のことで、イギリス人のウィリアム・アダムスが翻訳を行ったとされています。
ウィリアム・アダムスは日本に漂着した後、三浦按針という日本名で武士として生活をした人物です。

一方、初めて日本人の手で英語の翻訳が行われたのは、江戸時代後期のこと。アメリカ人から英語を学んだ堀達之助が、最初の英語翻訳者だと言われています。
長い期間、鎖国状態にあった日本が外交を始めるきっかけとなった日米和親条約は、堀達之助が中心となって翻訳されました。
現代では企業の海外進出が多くなり、海外との契約を行う際に契約書の翻訳が求められていますが、江戸時代にも条約を結ぶ際に翻訳が行われていたわけです。

また、堀達之助は和英辞典の編纂にもかかわっています。つまり、現代の日本における英語の基礎を築き、英語翻訳を後世につないだのは堀達之助だとも言えるでしょう。

3. 日本に翻訳の業界団体が誕生

翻訳は古代より存在し、様々な国と関係を持つことで、徐々に多くの国の言語を翻訳できるようになっていきました。
ところが当然のことながら、ある言語を全く違う言語に置き換える時、意味が通らなくなってしまうことがあります。
また、「直訳」をすると読んでいる人に伝わらないこともあります。やはり原文が書かれた国の事情を知らなければ、理解が難しい文章もあるのです。
そこで「意訳」と呼ばれる翻訳方法も使われるようになりました。この意訳によって翻訳を行った文章は読みやすくなりました。
しかし依然として、翻訳は正確な意味での訳が難しい部分があったことから、大きな労力が伴う作業であるにもかかわらず、低い評価しか得られないものとなっていたようです。

そこで、翻訳の品質などを高める目的から、翻訳業界のなかで業界団体が設立されるようになります。
日本国内では、「日本翻訳者協会」や「日本翻訳連盟」がその業界団体にあたります。
こういった業界団体は、翻訳における情報を翻訳者に共有したり、翻訳に関わる資格を認定したりして、翻訳業界全体の質の向上に努めています。
翻訳業界にも業界団体が設立されたことで翻訳者が仕事しやすい環境が整いつつあるかと思います。
また、それによって国際化が進んだ現代でも言語の違いに困ることなく、様々な国との関係を保てているのではないでしょうか。

4. 翻訳会社の設立によって翻訳が手軽なものに

このように長い歴史をたどりながら、翻訳は日本にも浸透し、翻訳者も増え、さらに翻訳会社が設立されました。

日本の翻訳会社というと、1962年に設立された「株式会社日本翻訳センター」や、1966年に設立された「株式会社ジェスコ」が老舗です。
最近はサプリメントなどで有名な「DHC」。元々は翻訳業務を行う会社として1972年に設立されました。社名のDHCも「大学翻訳センター」(Daigaku Honyaku Center)の略であると言われています。
こういった翻訳会社には、多くの翻訳者が所属しています。他にもたくさんの翻訳会社が存在しており、扱う言語も多種多様なものとなっています。
今では翻訳会社も主要な言語をほぼ網羅しており、翻訳分野も医療や金融と多岐にわたり、様々なケースにも対応してくれます。

世界はたくさんの国があります。言語はそんな国の数よりも多く、世界中の膨大な量の言語が使われています。
それだけの言語を、また全く知らない言語に置き換える翻訳という作業は、なかなか大変なものですが、日本でも翻訳者や翻訳会社の努力によって試行錯誤が繰り返され、現在に至っています。

古代の中国語への翻訳、そして近世・近代の英語への翻訳は、当時はきっと画期的なことだったでしょう。
今は日本でも、様々な言語を使える人が増えています。街を歩けば、何げなく他の国々の文化を見ることができます。
企業が海外に進出したり、海外の書籍を輸入したりと、なにかと海外とのつながりが多くなった現代ですが、そんな国際化を翻訳者ならびに翻訳会社がサポートできているとしたら、それはとても喜ばしいことだと思います。
このような歴史から、翻訳という仕事を少しでも身近に感じていただけると幸いです。

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