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翻訳マネージャーコラム

工業英語の複雑さと工業英語特有の言い回し

2017年02月09日

「工業英語」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
英語では「Technical Writing」(テクニカル・ライティング)といい、「技術英文」と訳される場合もあります。
工業という言葉がついているので、「工業分野に関する専門的な英語」というようなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、そうではありません。
ジャンルを問わず相手にとって明確で、分かりやすい英文を書く手法のひとつです。この手法は、現在では医療、法律、ビジネスの契約書などで幅広く活用されています。
現在、日本では公益法人日本工業英語協会が、「工業英語能力検定試験」(工業英検)を実施し、工業英語の理解と普及に努めています。
では、具体的にどんな手法なのか。今回は工業英語についてご説明します。

1. なぜ工業英語(テクニカル。・ライティング)が必要なのか?

インターネットやメール、さらにはSNSの普及で、各ジャンルで日々グローバル化が進んでいます。
そのため、ビジネスの世界だけでなく、日常生活を送るうえでも、英語を使った会話だけでなく、メールやSNSの文章で海外の人とコミュニケーションを取る機会が増えてきました。
140文字という制限があるTwitterは別として、メールや他のSNSには、文字数制限というものがありません。もちろん時間制限もありません。
ただし、だからといってダラダラと長い文章を書いていては、相手にしてみれば文章を読み、理解するために時間と労力を割かなければいけない。
つまり、できるだけ簡潔で明確な文章のほうが助かるのです。それは書く人にとっても同じでしょう。
とはいえ、日常会話であれば伝えたいことを簡潔に書ける人は多いと思います。しかしビジネスや、専門的分野の英語であれば、そうはいきません。
たとえば、翻訳会社に依頼する専門分野の翻訳は、主に次のものが挙げられます。

・ビジネスの契約に関する文章(交渉中の文面も含む)
・医療、法律に関する専門用語を含む文章(論文など)
・英語が使われている工業製品などの取扱説明書

英語から日本語へ、日本語から英語へ、という翻訳形式は問わず、上記の文章では常に、明確で簡潔な文章が求められます。
特にビジネスの交渉をメールやチャットでやり取りする際には、スピード感が問われます。スピード感とは、相手の言っていることを早く理解し、相手が早く理解できるような文面を心がける、というものです。
テクニカル・ライティングの手法を使えると、日常生活だけでなく、こうした文章のやり取りにも応用できることが最大のメリットではないでしょうか。ットではないでしょうか。

2. 工業英語にとって大切な「3Cs」

この3つのエッセンスを総称して、それぞれの頭文字をとり「3Cs」と呼んでいます。
工業英語、技術英文、テクニカル・ライティングという用語を聞くと、すごく難しいことのように思えるかもしれませんが、その手法とはこの3点なのです。
そして英文を明確に、簡潔に、正確に書くためには、それだけの専門的な単語、文法知識、文章能力が要求されます。工業英語検定の問題では、このような部分が問われます。
英語能力試験として有名なものとして、TOEFLやTOEICが挙げられますが、プロの翻訳者のなかには、この工業英語検定を受検している者も多いようです。

3. 工業英語を身につければ翻訳はできる?

では、この工業英語の手法を身につけると、あるいは工業英語検定の1級・2級を取得すれば、すぐ翻訳ができるかといえば、必ずしもそうとは言えません。
特にプロの翻訳者、もしくは翻訳会社の仕事は、クライアント様から届いた文章をただ翻訳することだけではないからです。
海外とのビジネスでは、文書にひとつでも記載ミスがあれば、契約を勝ち取ることはできません。
医療分野の論文になると、ひとつの訳し間違いが、命に関わってきます。
工業製品の取扱説明書を英語で作ろうとしても、訳し方ひとつでお客様の誤解を招き、せっかく購入した製品が使えなければ、会社の信用問題となります。

そこで、翻訳会社では正確を期するため、

・担当者が文章を翻訳
・複数のスタッフによる校正、内容のチェック
・各分野の専門家、ネイティブによるチェック

といった手順を経て、お客様に納品しなければならないのです。
逆に言えば、この点が翻訳会社に仕事を依頼するうえでのメリットだと言えます。

これは英語に限らず、現在日本でも翻訳の需要が高まっている中国語や韓国語、他のアジア圏の言語にも同じことがいえます。
ひとつの言語を正確に――原文に忠実に――訳すことができる翻訳者は多いと思いますし、このテクニカル・ライティングの手法を身につけている人も増えているはずです。
ただし、それだけのスキルを身につけている人を、個人的に探すことは難しい。そんな方々のために、翻訳会社はあります。
翻訳してもらいたい内容が高度であればあるほど、翻訳会社に問い合わせてみるのも、ひとつの方法ではないでしょうか。

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