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翻訳マネージャーコラム

翻訳サイトのビジネスでの活用

翻訳サイトのビジネスでの活用翻訳者という仕事をしていると、翻訳サイトについて聞かれることがあります。
「一番便利な翻訳サイトは何?」
「最も精度が高い翻訳サイトは何でしょうか?」
こう質問されると、「それは私です」と答えたくなる人も多いかもしれませんが、それでは質問の答えにならないので、私はいくつかの翻訳サイトをご紹介することにしています。
日本で最も利用されている翻訳サイトは、
Google翻訳
Yahoo!翻訳
ではないでしょうか。他にも「Excite」「bing」や「nifty」などもありますが、こうしたポータルサイト系の翻訳サイトがおすすめです。
この翻訳サイトにも、もちろんメリットとデメリットはあります。今回は翻訳サイトの使い方についてご紹介します。

翻訳サイトのメリット……いつでも好きなときに翻訳できる

日本でも街を歩けば英語を目にしないことはありません。日本人歌手の歌にも英語は頻繁に登場しますし、インターネットが発達した現在では、ネット上にも英語が溢れています。
それらの英語の意味を知りたいとき、すぐに調べられるのが翻訳サイトのよいところ。
インターネット上に書かれている英語であれば、そのまま翻訳サイトにコピペすれば、日本語の意味が表示されるのですから、なんとも便利な世の中になったものです。
さらに現在は意味だけでなく、発音も音声で教えてくれるサイトもあり、英語を翻訳したいのであれば、ネットを活用するのが最も有効であるともいえます。

2016年11月には、Google翻訳が「ニュートラルネットワーク技術」(NMT=人間の脳の構造をもとにした情報技術)を応用し、さらに精度が向上したとの発表がなされました。
これまで単語は完璧であっても、文章となるとおかしな翻訳になることもあったGoogle翻訳が、文脈を理解したうえで単語を適した言葉に訳すことができるようになったのです。

また、最近ではLINEの翻訳アプリも話題になりました。
Google翻訳が103言語に対応しているのに対して、LINE翻訳アプリはまだ英語、韓国語、中国語のみですが、それでも翻訳機能の利便性は非常に高い。
単語だけでなく、文章もメッセージとして送ると、すぐに翻訳して返事をしてくれるのです。

こうしたサイトやアプリは、英語を使った日常会話においても、コミュニケーションツールとして、おおいに役立つはずです。

翻訳サイトのデメリット……細かいニュアンスを訳せない?

IT技術の発達とともに、その精度もアップする一方の翻訳サイトですが、まだ細かいニュアンスや言い回しを完璧に翻訳することはできない、とも言われています。
日常会話であれば、それでも特に問題はないのですが、これが正式な文書を翻訳するとなれば、話は違います。
ここで翻訳サイトについて、おもしろい実験をしてみましょう。某翻訳サイトで、「愛している」という日本語を、少しずつ言い方を変えて英語に翻訳しました。

「愛している」:I love you.

「愛しています」:I love you.

「私は愛しています」:I love you.

「あなたを愛しています」:I love you.

「私はあなたを愛している」:I love you.

「私はあなたを愛しています」:I love ya.

すべて同じ意味の日本語なのに、なぜか最後だけ「you」ではなく「ya」と翻訳されました。
ちなみに「ya」というのは、「you」は「your」の代わりに使われる言葉なので、確かにここで「ya」としても意味自体は変わりません。しかし、「ya」というのは、主に親しい相手との会話で使われるものです。
そこで「愛しています」と丁寧な言葉で愛の告白をしたい相手は、「ya」と呼べるような親しい間柄なのでしょうか。告白が成功したあとは「ya」と呼べるかもしれませんが……。

まるで重箱の隅をつつくような例かもしれませんが、ここで翻訳サイトを批判・否定したいわけではありません。
ひとつだけ言いたいのは、確かに翻訳サイトは便利ではあるものの、決して万能ではないということ。
そして翻訳サイトには翻訳サイトに合った使い方がある、ということをお伝えしたいのです。

翻訳サイトは正確さが求められる文書に向いているか

先にお話したとおり、日常会話などで、ふと英語の意味を知りたくなった際に、翻訳サイトを利用すると非常に便利です。
ところが、これが正確さを求められるビジネス文書法律医療分野の翻訳とあると、なかなか難しいところはあります。特に翻訳の仕事をしている者が、翻訳サイトに頼りすぎるのはよいこととは思えません。
ただし、「翻訳サイトが微妙なニュアンスを訳すことができない」というイメージは、必ずしも正しいとはいえないのです。それは、翻訳サイトの機能に問題があるのではなく、日本語という言語が、ひとつの意味に対して多くの言い回し・表現方法を持っているからだといえます。

たとえば同じ「愛している」:I love you. の翻訳でいうと、先ほどは日本語から英語に翻訳しましたが、次は英語から日本語に翻訳してみましょう。

 

・英語からスペイン語に翻訳

I love you : te amo

これをスペイン語から英語に翻訳すると

te amo : I love you

となります。

フランス語でも

I love you : je t’aime 

je t’aime : I love you

と、同じ結果になります。これが日本語となると

「愛している」 : I love you

I love you : 「わたしは、あなたを愛しています」

となるわけです。

これだけ日本語には独特の言い回し・表現方法が多く、それだけに英語から日本語へ翻訳する場合は、その原文の文脈や意味を理解して、適した日本語をあてる必要があります。
そのため、翻訳サイトはコミュニケーションツールのひとつとして利用し、正確な文章の翻訳はやはり専門家にお願いするほうがよいでしょう。
翻訳の形は様々です。ぜひ各々に合ったものを有効に活用してください。

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